ビジネスでも使えるトップアスリートから学ぶ勝利の法則

スポーツの世界で活躍するアスリート達と起業家に共通することはないと思うかもしれないが、勝利するための戦略として多くの共通点が存在する。
Dr. Jason Selk は、メンタルトレーナーとしてSt. Louis Cardinalsのワールドシリーズ優勝に貢献した人物である。
著書、”Organize Tomorrow Today”の中で、Dr. Jason Selkは、実際に野球選手に指導した勝利への戦略をどのようにビジネスの世界に応用させるかを述べている。
習慣を儀式化する
Selk氏によると成功の鍵は、勝利の習慣を儀式化することである。ここでいう儀式化とは、毎日、決まったことを同じ時間に行うということだ。実際に、Selk氏は、野球選手たちに1日のスケジュール作りを徹底させることで、次にどんなトレーニングをするか、何時に起きなくてはいけないか、何を食べるかなどを考える必要をなくしたという。
日々のルーティーンを作り上げていくことは、ビジネスの世界でも重要である。9時に最初の営業電話をかけることを儀式化すれば、何時に起き、何時に出社する必要があるか自然とわかるはずだ。儀式化によって、次にどんな行動をとるか考えるエネルギーを使わないで済み、そのエネルギーを他の重要なことに使うことができるのである。
鍵となる習慣を作り出す
鍵となる習慣を作り出す過程には3つの段階がある。
第一段階では、その行動が簡単に楽しく思える。
しかし、第二段階になると、楽しさはなくなり、何か挑戦しているような気分になる。その行動をするために打ち勝たなければいけないのだ。
そのために、儀式化する。同じ時間に毎日行う。そして、打ち勝った場合と、負けてしまった場合にどう感じるかを自分に問うのだ。感情は、行動を促す。もし、これに打ち勝てば、来年、5年後にどのように感じているか?この行動を続けることで、将来の自分はどうなっているか?もしここで諦めれば、自分の人生はどうなるか? それらを自分に聞いてもらうのだ。
大成功に必要な要素で、見落とされがちなのが、優先順位を決めることだ。大成功を収めた人物やアスリートは皆、やると決めたことを必ず全てやるわけではない、しかし 、一番重要だと思ったことを必ず終わらせる。
そして、多くの成功者が、最優先事項を可能な限り朝早く終わらせる。朝に終わらせてしまえば、他の急な仕事などで邪魔されることがない。エネルギーもまだ十分にあるはずだ。
第三段階で、行動が習慣となり、特に考えることなく自然と行えるようになる。こうなると人生は素晴らしいものになる。しかし、人は簡単にその習慣をやめて、第二段階へ引き戻されてしまう。その一番の原因となるのが、習慣を続けても結果が伴わない時である。また、長期の休みや病気も原因となり得る。習慣により成功を収めるうちに、もう習慣が必要でないと思う時も危ない。今の成功は過去の習慣の積み重ねでできたもので、習慣をやめれば将来の成功の保証はないのである。